blue's cancer project

トップがんの治療法

がんの治療法

がんの正しい治療法を知るウェブサイト

私自身、告知を受けた直後はかつてないショックを受けたと同時に、こらからどうなるのかという大きな不安におそわれました。そして、ネットでも色々調べました。告知日に気管支鏡検査の入院予約をして帰宅したものの、遺伝子検査がどういうものなのかもはっきり理解できないままだったので、自分で調べるしかなかったからです。さらに、いい治療法がないか調べたものです。今回は、私の経験から、肺がんを中心に役立つWEBサイトを紹介します。

1つ目は、がんサポートのHPです。

http://gansupport.jp/
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

標準治療(エビデンス=根拠があり、保険適用の治療法)から先進医療や免疫療法などの自由診療など、幅広く情報があり、情報源も医療機関からのものなので信頼できる情報が多く掲載されています。その他、副作用対策や生活面での情報などが網羅されています。記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

がんサポートの下記の記事では、肺がんのことが分かりやすく書かれています。

http://gansupport.jp/article/cancer/lung/lung01/11.html
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

また、肺がんの遺伝子検査のことは下記の記事で分かりやすく書かれています。

http://gansupport.jp/article/cancer/lung/lung03/6050.html
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2つ目は、癌expertsのHPです。

http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/cancer
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

医療従事者向けのサイトのため、記事中の表現が一般人には分かりにくいですが、臨床試験に基づいた世界の学会発表の速報がほぼリアルタイムで掲載されており、最新情報を知ることができます。また、学会発表の情報がまとめられたレビューや医師同士の座談会など、深い情報も知ることができます。私がセカンドラインで維持療法を選択したのも、昨年維持療法の情報が多かったからです。無料の会員登録が必要です。

3つ目は、がん情報サービスのHPです。

http://ganjoho.jp/public/index.html

独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターが運営しているHPです。私はここの患者・市民パネルに参加しており、HPの改訂や冊子づくりなどに協力しています。各種がんの解説や検査、治療法など幅広く網羅しています。

国立がん研究センターがん対策情報センター

がん情報サービス

このサイトの用語集は大変役立ちます。↓

http://ganjoho.jp/words.html

最後は、日本肺癌学会のHPです。

http://www.haigan.gr.jp/

このサイト内のガイドラインのページで、最新の肺がん標準治療の全選択肢を確認することができます。毎年更新されています。このサイトも一般人には分かりにくい表現が多いですが、ステージ4はかなり詳しく記載されており、脳転移、骨転移についても標準治療について記載されています。

ガイドラインは下記ページです。

www.haigan.gr.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3

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がん治療を知る本の紹介

がん治療における様々な情報が掲載されている書籍を紹介します。 私自身、告知されて以降、ネットで色々と調べましたが、あまりにも色んな情報があり、なかなか整理することが難しかったことを覚えています。そういう時は、色んな情報が網羅された本を読むことをお勧めします。本も、がんについてはかなり多く販売されていますが、中でも私が読んでよかったなと思うものを紹介します。

まずはこの本です↓

標準治療以外の治療法(温熱療法や免疫療等々)や食事療法、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)等々、全てのがんで役立つ情報が多いです。病院での治療以外に、自分でも色々とできることがあるんだと思わされた一冊です。

次は肺がんについての本です↓

肺がんの種類や病期、治療法など、詳しく知ることができます。分子標的薬や維持療法のことも分かりやすく書かれています。先進医療である重粒子線治療や陽子線治療についても詳しく知ることができます。また、殺細胞性の抗がん剤治療については、治療スケジュールや、副作用がどの時期に出てくるかなど、分かりやすく書かれています。2012年の本ですが、現在と大きくは変わらないので、お勧めです。当時と変わっている点は、主にタルセバが一次治療から使えるようになったこと、維持療法の推奨グレードが少し上がったこと、脳転移に対するアバスチンの投与が可能になったことなど、大きくはそのくらいかなと思います。

この名医が語るシリーズは、他に前立腺がん、乳がん、大腸がん、肝臓がんも書籍が存在します。私は肺がん以外の書籍は読んでいませんので、ご参考にしていただければと思います。

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がんの臨床試験(治験)について

がんの臨床試験(治験)について、分かりやすいサイトを紹介します。

まず、がん情報サービスのHPにある、「がんの臨床試験をご存じですか」というページです。

http://ganjoho.jp/public/qa_links/card/clinical_trial.html

ここのページの中央に、「がんの臨床試験をご存じですか」というPDFファイルがあります。

http://ganjoho.jp/data/public/qa_links/card/files/clinical_trial.pdf

ここでは、臨床試験について基本的なことを知ることができます。

そして、臨床試験についてもっと詳しく知りたい、という場合は下記のサイトが役に立つと思います。朝日新聞の医療サイト、アピタル主催の「もっと知ってほしいがんの臨床試験のこと」の講演の模様を動画で見ることができます。

http://apital.asahi.com/school/cancer/2014072500012.html

これを見ると、臨床試験と治験の違いなどの基本的なことから、臨床試験の実際というか、日本でのドラッグラグの問題などを詳しく知ることができます。演説されている先生方も本に出られているような有名な先生もおり、すごく勉強になりました。何より動画なので分かりやすいです。臨床試験のことを知りたいという方は是非見てみてください。

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臨床試験の検索方法

現在行われている臨床試験を簡単に調べる方法を掲載します。

それは、「UMIN」というサイトから、臨床試験検索のページに入って調べることができます。このサイトはリンクフリーではなかったので、YahooやGoogleなどで「UMIN」と検索してみてください。

医療従事者向けサイトなのか、少し分かりづらい部分もありますが、臨床試験を考えられている方は一度見てみてください。ただし、サイトの更新の問題などで、リアルタイムの情報では ない場合があります。リアルタイムの情報を知るには、主治医に相談するか、あるいは直接医療機関に問い合わせてみてください。

なお、下記サイトのように治験情報を通知してくれるサービスもあります。↓

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イレッサ&タルセバ耐性後の治療(新薬)情報

手術不能(ステージ3b、ステージ4)の肺がん(非小細胞肺がん)の治療について最新情報を紹介します。

手術不能の肺がんでは、まず遺伝子検査を行い、EGFRという遺伝子について変異の有無を確認します。陽性の患者さんには、イレッサ(ゲフィチニブ)やタルセバ(エルロチニブ)といった分子標的薬が使用されます。これは、EGFRという受容体に作用し、がんの増殖を阻害します。

しかし、これらの薬は約1年(私の場合は半年)で耐性ができ、効かなくなります。これには個人差があるようで、早い人で半年、長い人で5年以上という人もおられるようです。

耐性ができてしまった人に対して、2014年1月17日、ジオトリフ(アファチニブ)という新薬が承認され、2014年5月7日に発売されました。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201401/534652.html
*癌ExpertsのHP、*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

この薬の特徴は、
①EGFRの他の受容体(ErbBファミリー)に不可逆的に作用すること
②耐性後に遺伝子変異が認められるT790Mという遺伝子に作用すること
であり、これまでの分子標的薬に耐性ができてしまっても効果が期待できるということです。第2世代の分子標的薬と言われています。

さらに、第3世代の分子標的薬が現在臨床試験中のようです。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201310/533085.html
*癌ExpertsのHP、記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

このAZD9291は、T790Mに対してより効果が高いようです。さらに、第1代、第2世代で見られる皮膚障害や下痢の副作用も低いようです。次の記事でレビューされています。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/sp/jlcs2013/201312/534303.html
*癌ExpertsのHP、記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

私は、イレッサでかなり強い皮膚障害を経験しましたが、ジオトリフはさらにきついらしく、将来的にAZD9291のような薬に期待したいです。承認まであと数年といったところでしょうか。

将来的な話になると、がん幹細胞やFAS阻害薬、心臓ホルモン、さらにiPS細胞を利用した抗がん剤などに期待したいですが、実際に治療が受けれるようになるには何年もかかるのかなと思います。

しかし、今回ジオトリフが承認されたように、今後も医療研究者の方々の努力によって新薬が出てくると思います。既存薬や新薬を使って命をつないでいるうちに、また新薬にたどりつけばまだ何年も生きれるんじゃないかなと思います。

希望を捨てずに前に進みましょう。

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重粒子線治療

重粒子線治療とは、従来のX線を使用する放射線治療とは異なり、炭素イオン線を用いた放射線治療です。

X線は、身体に入った直後が最も放射線量が高く、身体の奥深くに進むほど低くなるのに対し、重粒子線は、がん細胞のところで線量が最大になり、 がんを遺伝子レベルで破壊し、かつ正常細胞へのダメージは低くすることが可能です。

この治療は厚生労働省の指定する先進医療となっており、保険はきかず、費用は自己負担となります。約300万円といわれています。民間の生命保険で先進医療の特約が付いている保険に入っている場合は自己負担はありません。 また、治療条件として、ステージ1、もしくはがんがリンパ節や周囲の臓器に広がっている局所進行がんの一部(ステージ2~3A)も適応となる場合があるようです。なるべく、がんがひとかたまりになっていることが望ましいようです。

また、重粒子線治療ガイドというサイトを見てみると、Q&Aで転移があっても、原発部位を重粒子線で治療することでQOLや生命予後の改善が期待できる場合や、原発がうまく治療されていて、転移が1箇所のみの場合は適応となるようです。ただし、広範囲に転移している場合は対象外のようです。なので、ステージ4でも転移が広範囲でなければ、適応となる場合もあるかもしれません。

治療効果は手術と匹敵するほど効果があるようですが、先進医療のため、保険がきかないこともあってか、通常、がん治療を行う病院では標準治療ではないので、こういう治療法があることさえおしえてくれないようです。

作家のなかにし礼さんが陽子線治療という、重粒子線治療と良く似た放射線治療で食道がんを治されましたが、その時も、何人もの名医に手術か抗がん剤治療しかないと言われたようです。なかにし礼さんはご自身でネットで調べられて、施設に直接電話し、治療を受けたとテレビで言われてました。陽子線治療については、後述していますのでそちらをご確認ください。

重粒子線治療の詳細は、重粒子線治療ガイドのサイトをご確認ください。千葉、兵庫、群馬、佐賀にある治療施設も掲載されています。↓

http://www.hirt-japan.info/

気になる方は、重粒子線治療の施設にお電話でご相談されるか、主治医にご相談されてはどうかと思います。

私も一度主治医に相談したり、だいぶ前に対象施設に直接電話をかけて相談しましたが、やはりステージ4で転移が複数にもなると適応外になることが多いと言われました。 ただ、電話口では、適応外と言いにくいのか、「おそらく適応外だと思いますが、気になるようでしたら紹介状とデータを持って来てください」と言われました。

私の場合は、電話して以降、イレッサが一時奏効したのもあって、この治療は気にかけていませんでしたが、その後悪化して左肺から右肺にも転移してしまったので、ちょっとさすがにこの治療はもう無理かなと思っています。今思えばダメもとでも紹介状もらって話だけでも聞きに行けばよかったかなとか思ったりする時もあります。 なので、まだ施設も少ないですが、気になる方はステージ4でも一度問い合わせをされてみてもいいかなと思います。

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陽子線治療

陽子線治療とは、従来のX線を使用する放射線治療とは異なり、水素の原子核である陽子を用いた放射線治療です。

X線は、身体に入った直後が最も放射線量が高く、身体の奥深くに進むほど低くなるのに対し、陽子線は、がん細胞の形に 合わせて陽子線の深さを調節することができるので、正常細胞への影響は最小限に抑えながら、がんに最大エネルギーを当てることが可能です。

前回紹介した重粒子線治療とよく似ていますが、それぞれ特徴があるようです。

・威力は重粒子線の方が陽子線より2~3倍強力
・正常細胞への影響は陽子線の方が出にくいと言われている
・陽子線は色んな角度から照射が可能

このような違いがあります。陽子線治療も、重粒子線治療と同様に、ステージ1の場合は手術に匹敵する効果があるようです。

局所進行がんでは、ステージ3のうち、同一肺葉内にとどまっている場合、リンパ節転移がない場合、リンパ節転移があっても、 元々のがんとまとめて照射できる範囲にとどまっている場合などに限られているようです。ステージ4については、重粒子線治療の記事でも書きましたが、 実際に医療施設に問い合わせて話を聞きに行ってみないとわからないといったところでしょうか。

治療費は、重粒子線治療と同様、約300万円、保険適用はなく、全額自己負担です。民間の生命保険で先進医療の特約が付いている場合は自己負担はありません。

この治療法ほ、前回も書きましたが、作家のなかにし礼さんが食道がんを治療したことでも有名です。保険適用でないためか、初期のがんでも、手術しかない、 手術が嫌なら抗がん剤治療しかないと、複数の名医といわれる方に言われたようで、通常、病院ではこういう治療法があるというのも教えてくれないようです。

施設は、福島、茨城、千葉、静岡、福井、愛知、兵庫、鹿児島にあり、今後も増えていくみたいです。施設名は下記厚生労働省のサイトで確認することができます。 陽子線治療は6番、重粒子線治療は11番です。↓

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html/

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免疫細胞療法(樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法)

免疫細胞療法」は、近年、がんの3大標準療法である手術、放射線治療、抗がん剤治療に次ぐ、 第4の治療法、あるいは、3大療法との併用で効果があるなどと言われており、注目されています。別名で「がんワクチン」 などとも言われています。ただし、この治療法単独で奏効する確率は低く、ちゃんとしたエビデンスがないのは確かで、そのため、保険適用がないのが現状です。 なので、費用対効果は自分でしっかりと見極める必要があります。

治療法については、大きく分けて樹状細胞を用いる場合と、リンパ球を活性化させる方法に分かれます。

樹状細胞は、免疫系の中でも司令塔的役割を担っており、患者さんのがん細胞の組織をこの樹状細胞に取り込ませて体内に戻すと、リンパ球にがんの目印をおしえ、 狙い撃ちさせるという手法に用いられます。しかし、この治療法を行うには、がん細胞に目印となる抗原が多く発現していることが前提条件となります。

抗原の発現が少なく、樹状細胞を用いた治療ができない場合に、リンパ球の数を増やすなどの、リンパ球を活性化させる手法があります。

この治療法を実施している医療機関は、大きく分けて大学病院などで厚生労働省が指定する先進医療として実施されている場合と、 民間のクリニックなどで自由診療として実施されている場合に分けることができます。

厚生労働省が指定する先進医療、 その実施医療機関は下記厚生労働省のページで確認することができます。免疫細胞療法関連は26~28番になると思われます。↓

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html

そして、先進医療として実施している場合、クリニックで自由診療として実施している場合、両面から取材をし、記事としてアップされているのが、以前も紹介した 「がんサポート」のホームページにあります。免疫細胞療法の仕組みなども、こちらで詳しく確認することができます。↓

http://gansupport.jp/articles/immunity
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

これらを見ると、どこで治療受けても良さそうに思えます。ただし、どちらも医療費は自己負担です。

そして、私は、厚生労働省が指定する先進医療として実施されているある大学病院と、全国でも大きめのあるクリニックグループの連携病院、両方で実際に話を聞いてきました。

ここからは、その時の情報も含めて、個人的に比較した見解を書いていきます。

①全国でも大きめのあるクリニックグループの連携病院の場合

・治療費は、治療法によって1回約20~40万円くらいで、1コース6回なので、約120~240万円くらいかかる。
・症例数と治療成績から見て、約半分くらいが病勢進行となっている。また、このデータには免疫細胞療法だけでなく、 抗がん剤も併用されている場合も含まれている場合がある。
・基本的に「樹状細胞療法」を用い、抗原の発現が見られない場合はリンパ球を活性化させる方法など、全ての患者さんに対して治療法がある。 また、この2つを組み合わせると効果が高いと説明があった。
・殺細胞性の抗がん剤と併用すると、副作用を軽減し、QOLを高められるという。
・副作用については特に説明がなかった。
・民間の生命保険で、メディコムという会社では、会社の指定病院のみ、自由診療も給付があるものがある。
・様々ながんの種類で症例がある。

②厚生労働省が指定する先進医療として実施されているある大学病院の場合

・治療費は1回約13万円、1コース6回なので、約78万円と上記よりは安価。
・治療成績は約半分くらいが病勢進行となっているが、抗がん剤の併用はなく、この治療のみの成績のようである。
・「樹状細胞療法」のみで、抗原が多く発現している場合のみ治療を受けることができる。かつ、一次治療で悪化となっているということも条件として設定されている。
・殺細胞性の抗がん剤との併用は不可。免疫が低下している時に免疫細胞療法をやっても効果が期待できないという。イレッサやタルセバなどの分子標的薬との併用は可。
・副作用は、皮下注射の痛みが1週間、約50%の確率で38℃くらいの発熱が2~3日続く。免疫が働いている証拠だという。
・民間の生命保険で、先進医療特約が付いている場合は、患者さんの負担はない。
・がんの種類は肺がんと乳がんで適用となっている。

このように、一部両者で異なる点がいくつかあります。一言で免疫細胞療法といっても、医療機関によって結構異なることがお分かりいただけると思います。

なので、この治療を考えておられる方は、複数の医療機関で話を聞き、その上で判断することをおすすめします。

どの病院で受けても全額自己負担なので、費用対効果を考えると受けられる方は少ないのではないかと思いますが、民間の生命保険で特約が付いていれば考慮してもよいと思います。 私の場合は、たまたまこの特約に入っていたのと、細胞検査の結果、抗原の発現が多く出ていたということから、②の病院での治療は追々考えようと思っています。そして、 個人的には②の病院の方が安心感がありました。なお、抗原が発現しているかどうかを調べるには、気管支鏡検査時に採取している細胞の標本(プレパラート)が必要になります。 気管支鏡検査を受けた病院に保存されていると思うので、病院に確認してみてください。

これから治療を考えられている方のご参考になればと思います。

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肺がんにおける維持療法

維持療法とは、化学療法で高い抗腫瘍効果を持つ、シスプラチンなどのプラチナ製剤の投与(標準で4クール、最大6クール)が終わった後、 併用していた抗がん剤、あるいは別の抗がん剤を継続して投与する治療法です。

一昨年頃から昨年にかけて、この維持療法の臨床試験結果が学会などで報告され、エビデンス(科学的根拠)もしっかり確認されています。使う薬剤は既存薬ですが、 治療法としては比較的新しい治療になります。

維持療法が登場するまでは、シスプラチンの投与終了と同時に、アリムタなどシスプラチンと併用していた薬剤も打ち切りし、その後は病勢悪化まで何もしないのが標準となっていました。 といっても今でも標準治療のひとつですが、以前はこの選択肢しかなかったのです。

そこに維持療法は、プラチナ製剤が終わっても、併用していたアリムタなどの薬剤を投与し続け、がんの増殖を少しでも抑えるように、 従来の治療法に工夫が施されたという感じになっています。文字通り、病状を悪化させないように維持する治療法です。 要するに、既存薬だけでも新たな選択肢が生まれたわけです。

私の場合は、セカンドラインでこの維持療法を選択しました。アリムタ、シスプラチンにアバスチンを追加し、さらに骨転移に対応するためランマークという分子標的薬を使用しています。 アバスチンは脳転移に有用なのではないか、ということが最近言われており、エビデンスはありませんが、一か八か、賭けてみることにしました。

シスプラチンは使用限界の6クールまでやり切り、腫瘍は縮小、今はアリムタ、アバスチン+ランマークの維持療法を17クールまで行い、維持できています。合わせて23クール、約17ヶ月になります。

今化学療法を受けておられる方や、これから化学療法を受けられる方のご参考になればと思います。

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シスプラチンとカルボプラチンの違い

肺がんの化学療法として標準的な抗がん剤は、1990年以降に承認された第3世代の抗がん剤であるアリムタと、殺細胞性の強いプラチナ製剤である シスプラチン、またはカルボプラチンの組み合わせです。

EGFR遺伝子変異が陽性の場合は、上記よりもイレッサやタルセバという選択肢もありますが、耐性ができると、いずれアリムタやシスプラチンを使う時がやってきます。

そこで、シスプラチンとカルボプラチンの違いをよく知っておくと、自分にとってどちらの抗がん剤がよいのか、判断しやすくなります。

病院によっては医師主導で決められ、患者サイドは片方の存在を知らずに治療を受けているというケースもあるかもしれません。

肺がん診療ガイドラインでは、高齢で身体が不自由だったりする場合にカルボプラチンを使うという感じになっているからです。そうでない場合は、シスプラチンが推奨されます。 しかし、患者サイドが希望すれば、カルボプラチンも受けられると思います。

簡単にこの2剤の違いを説明すると、シスプラチンは抗腫瘍効果が高いが、副作用がきつい、カルボプラチンは、シスプラチンと比べると抗腫瘍効果は劣るが、副作用は軽い、 ということです。また、点滴時間もカルボプラチンはシスプラチンの半分くらいの時間で終わります。シスプラチンが大体8時間くらいですから、4時間くらいだと思います。

色々な本やネットを見ると、カルボプラチンはシスプラチンより抗腫瘍効果がやや劣るが同等、という表現が見られます。 元々カルボプラチンは、シスプラチンの副作用を軽減するために作られた抗がん剤で、そこそこの抗腫瘍効果は持っています。

では、やや劣る、とか、同等って、いったいどれくらいの差があるのか。私の通院している病院のがん相談支援室の看護師さんに一度聞いたことがあります。

延命という観点から見ると、約1ヶ月長いか短いかの違い、だそうです。これは、おそらく何かの臨床試験の結果から引用しているのだと思います。

つまり、シスプラチンを使えば、カルボプラチンより約1ヶ月長い効果が得られる、反対に、カルボプラチンはシスプラチンと1ヶ月しか変わらない、ということになります。

これを同等ととるか、明らかにシスプラチンが効果があるととるか、これは本当に治療を受ける本人次第です。

例えば、自営業で仕事が休めないが、治療はしなければならない場合などは、QOLを考えるとカルボプラチンの方がいいかもしれません。 そうでなくても、1ヶ月くらいの差なら副作用が軽い方がいい、という人もおられると思います。

私も実際、相当悩みました。私の場合は、悩んでいる間の検査で癌性髄膜炎、多発脳転移が発覚したので、少しでも延命したい、そういう気持ちになり、シスプラチンに決めました。 もし脳転移がなかったら、カルボプラチンを希望していたかもしれません。しかし、結果的にシスプラチンがかなり効果してくれたので、副作用はありながらも、シスプラチンを選んでよかったなと思いました。

ただ、個人差というか、人によって合うか合わないか、ということがあることは知っておいていただきたいと思います。

それと、まずどちらかでスタートして、途中で変えるというのも可能と思います。

これから化学療法を受けられる方のご参考になればと思います。

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肺がん、乳がんなどで起こりやすい脳転移

現在、肺がんや乳がんなどで抗がん剤治療をされている方、脳転移には注意してください。

私の場合は、肺がん告知時点ですでに脳転移が1ヶ所あり、ガンマナイフ(ピンポイント放射線治療、他にサイバーナイフというものもある)で治療しました。その後、イレッサが効かなくなってきた頃に多発脳転移が発生、癌性髄膜炎と言われました。

癌性髄膜炎とは、髄膜播種や髄膜癌種症とも呼ばれますが、脳を覆っている膜の水の中にがん細胞が複数転移した状態で、医師からは「脳にがんの種が播かれた状態」と説明を受けました。

この状態になると、治療の選択肢に後がなくなってきて、下記のようになります。

①がんが無数にあるため、ガンマナイフが使えない。脳全体に放射線を照射する「全脳照射」しかない。しかし、全脳照射をすると2年以内に高確率で認知症になる。
②①を避けたい場合、抗がん剤治療に賭ける。しかし、髄膜に抗がん剤が行き渡りにくく、奏功する可能性が低い。
③標準治療ではないが、リザーバという手法があり、髄液内に直接抗がん剤を注入する治療法がある。しかし、エビデンスがなく、頭から注入するため患者負担も大きい。

こうなると、原発がそこまで悪化していなくても、脳の治療を優先に考えなければならなくなってしまいます。

私は当時、主治医に紹介状を書いてもらって、関西の4つの比較的大きな病院で、脳神経外科や放射線治療科、腫瘍内科の医師に意見を聞きましたが、医師の間でも大きく2つに分かれました。

ひとつは、「全脳照射しかない」というグループ。ここで言われたのは、「この状態では、予後不良であり、もし全脳照射をしなかったとしても、2年以内にはいずれ脳に何らかの障害が出てくる。少しでも延命したいなら全脳照射しかない。」ときついことを言われました。こちらは脳神経外科、放射線治療科系の医師です。

もうひとつは、「最近は新らしい抗がん剤が出てきていることもあって、こういう状態でも2年以上元気にしている患者さんが増えている。残念なのは、身体は元気でも全脳照射の影響で認知障害になってしまった方々がいること。だから即全脳照射はすすめられない。まず抗がん剤治療に賭けましょう。もし神経障害が出るようなら、その時ガンマナイフも再検討しましょう。」と、こちらは呼吸器内科、腫瘍内科系の医師です。

私は後者のほうに心を救われ、抗がん剤治療に賭け、約半年悪化せず元気に過ごせています。一般的に癌性髄膜炎になると予後不良と言われるようなので、これはある意味奇跡的なことが起こったのかな、とか思ってしまいます。

私の話はこれくらいにしといて、要は、抗がん剤治療中に、もし医師があまり定期的に脳のMRI検査をやらないようなら、自分で注意しながら医師に検査をお願いしたほうがいいかなと、そう思います。そして、もし多発脳転移になってしまったら、なるべく複数の病院で意見を聞いた方がいいと思います。

特に、最近ではタルセバやアバスチンが脳転移には効く可能性がある、と言われています。これは癌Expertsのサイトで見つけました。私の場合は現在アバスチン+アリムタです。↓

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/report/201305/530351.html

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/report/201308/532131.html
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そして、標準治療のガイドラインでは、脳転移に対するガンマナイフは4個までとされていますが、施設によってばらつきがあります。なので多発脳転移でも施設によっては可能性があります。MAX87個治療したという記事もありました。47newsのサイトです。↓

http://www.47news.jp/feature/medical/news/1018ganma.html

また、原発性の脳腫瘍に対しては、BNCTなど新しい治療法も出てきているので、脳転移への応用など、今後に期待したいところです。

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肺がん、乳がんなどで起こりやすい骨転移

骨転移は、肺がんや乳がん、前立腺がんなどで起こりやすいと言われています。

私も実際に、肺がんの初期症状がまず骨転移による背中や腰の痛みから始まり、最初に受診したのは整形外科、その後CT検査やPET検査によって肺がんステージ4と告知されました。

骨転移は、基本的にはまず原発に対しての抗がん剤治療で様子を見るか、あるいは症状が酷い場合は放射線治療や分子標的薬が選択されます。

私の場合は、ファーストラインのイレッサが骨転移に対しても奏功してくれたこともあり、最初はイレッサ単剤での治療でした。

セカンドラインのアリムタ、シスプラチン、アバスチン併用療法になってから、骨に新たな転移が見られたりして、そこから ランマークという分子標的薬を使うようになりました。

ランマークは、がん細胞によって骨が破壊されるのを抑える薬です。がんに直接的に作用するということはなく、根治というよりも進行を抑える薬のため、抗がん剤とは呼ばず、 骨転移治療薬とか、骨病変治療薬と呼ばれるようです。

副作用としては、低カルシウム血症がありますが、これはビタミンDを毎日服用することで対応します。

他に顎骨壊死の副作用も見られるようで、症状があった場合は歯科治療が必要になるようです。

治療は、4週間に1回皮下注射するだけです。

私は2013年の9月からランマークを使っていますが、今のところ骨転移は抑えられており、痛みの症状はありません。また、副作用もほとんどありません。 ただ、複数の抗がん剤との併用になっているので、細かいところはわかりませんが、ランマーク特有の低カルシウム血症や顎骨壊死は今のところありません。 また、副作用については個人差がありますし、私もこれから出てくるかもしれません。あくまでも、私の現時点での使ってみての感想は、副作用もなく、骨転移に効果があり、 良い薬だと思います。

これから骨転移の治療を始められる方、薬の選択に悩んでおられる方のご参考になればと思います。

なお、下記のがんサポートHPの記事にランマークのことが詳しく書かれています。全文を読むには無料の会員登録が必要ですが、良いサイトです。一度ご確認ください。↓

http://gansupport.jp/article/cancer/lung/493.html
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がん免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体・抗PD-L1・抗CTLA-4抗体)

最近、新しいがん免疫療法として、「免疫チェックポイント阻害薬」が話題となっているようです。

免疫療法といえば、上述しているように樹状細胞やNK細胞を活性化させて、がん細胞を攻撃する免疫細胞療法が主流で、大学病院や民間のクリニックで行われています。

では、新しい免疫チェックポイント阻害薬とはどういうものなのか。

がん細胞が増殖する時、アクセルがかかりっぱなしのような状態になると同時に、免疫系のブレーキもかかっているということがわかってきたようです。 このブレーキを解除する薬の開発が世界で進んでいるようです。

そして、悪性黒色腫というがんについては、すでに国内では抗PD-1抗体のnivolumabという薬剤が承認申請されており、腎細胞癌でも第3相臨床試験が進行しているようです。 抗CTLA-4抗体のipilimumabはすでに欧米で承認されており、国内でも臨床試験が行われています。(標的となるタンパク質の違いによって抗PD-1抗体・抗PD-L1・抗CTLA-4抗体という ふうに呼ばれています。

また、肺がんや乳がんでも、現在臨床試験が進んでいるものもあるようです。実用化までそう遠くはないかもしれません。詳しくは日経メディカルの記事に記載されています。 2014年現在の臨床試験の進行状況などを確認することができます。↓

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201403/535475.html
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

また、下記がんサポートのサイトでも、作用機序などが分かりやすく紹介されています。

http://gansupport.jp/article/cancer/lung/lung03/13336.html
*記事全文を読むには、無料の会員登録が必要です。

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肺がんにおける新薬 第三世代分子標的薬

「がんサポート」の下記ホームページで、第三世代の分子標的薬の情報が紹介されています。

http://gansupport.jp/article/cancer/lung/lung03/13349.html
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ここでは、第一世代分子標的薬といわれているイレッサとタルセバ、今年発売された第二世代のジオトリフと、現在開発治験中のdacomitinib、neratinib、 そして第三世代で現在治験中のAZD9291、CO-1686などが紹介されています。

詳細は上記リンクを見ていただきたいのですが、簡単に言うと、下記のような内容になります。

①第一世代よりも第二世代、第二世代よりも第三世代の薬の方が効果が高い。
②第二、第三世代の薬は、第一世代の薬に耐性ができても、効果が期待できる。
③第三世代の薬は皮膚障害や下痢の副作用が少ない。

特に第三世代の薬は、第一世代のイレッサやタルセバの薬剤耐性や、皮膚障害や下痢の副作用の課題を解決するために作られているようです。 この第三世代の分子標的薬の情報については、今まで分かりやすく書かれた記事はあまりなかったのですが、今回のがんサポートの記事はかなりわかりやすくまとめられていました。

治験については、現在国内では第二相や第三相の治験が行われているようです。承認されれば、EGFR遺伝子変異陽性の肺がんでは新たな選択肢が増えることになります。

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34歳で肺がんステージ4 blueのアメーバブログ
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