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がん治療と生活

がん告知後の仕事とお金の悩み

働き盛りの年齢でがんと告知された時、まず、この先仕事ができるのか、収入はどうなってしまうのか、ということで悩みます。

家族がいたり、まだ小さな子供がいたり、住宅ローンがあったり、それにこれから治療費がどれだけかかるのか、不安でいっぱいになります。

なおかつ、サラリーマンである程度重要な仕事を任されている場合は、職場に迷惑がかかるなぁ、とかも考えるかもしれません。

実際、私は食品メーカーで商品開発の係長をやっており、告知前後は看板商品のリニューアルを担当していたので、身体のこと、家族のこと、お金のこと、そして仕事のこと、これからどうなっていくのか不安でした。

その後、お金に関してはいくつか補助的な制度があることを知ります。しかし、その制度をどう有効に使うのか、そこまでは誰も教えてくれませんでした。なので、今回はその有効な使い方を書きたいと思います。

その前に、まず制度を書きます。

①傷病手当金

入院などで連続して4日以上休んだ場合、4日目から傷病手当金が出ます。1ヶ月丸々休んだとして、給料の約2/3くらいの額が支給されます。手続の窓口は、サラリーマンの場合は会社の総務担当か健保組合になります。最大1年6ヶ月支給されます。

②高額療養費

出産時などによく使われる制度で、高額な医療費が発生した場合、上限約8万円くらいまでの負担で済ますことができます。こちらもサラリーマンの場合は総務担当か健保組合が窓口になります。入院前に認定証を発行してもらうことで、それを退院までに病院に提示すれば、会計時に約8万円くらいの支払で済むという感じです。実際は食事や部屋代などは本人負担になるので、そのプラス分は発生します。1年の間に4回この制度を利用すれば、上限が引き下げられて4万4千円くらいになります。

ただし、限度額は収入などによって変わります。2015年から制度が変更になっていますので、詳しくは全国健康保険協会のホームページを確認してみてください。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3190/sbb3193/261114

③その他会社や健保組合独自の制度

健保組合によっては、上記の制度を利用してさらに、一部負担還元金というのが出ることがあります。こういう制度があれば、例えば毎月ある基準の額が決まっていて、それ以上医療費を支払った場合、その差額分が戻ってきます。また、共済会などで、療養給付金というのが出ることがあります。他に、傷病手当を受けて1年6ヶ月後、休職手当というのが何ヶ月か出ることがあります。それぞれ会社によって異なると思うので、各担当部署に確認してみてください。

④医療費控除

医療費が年間10万円を超えた場合、確定申告で税金が戻ってくるというものです。ただし、①~③や民間の生命保険で受けた補助は引かないといけません。また、サラリーマンの場合、年末調整ですでに源泉徴収税額0になっていたら、医療費控除では戻ってきません。ただし、市民税で考慮される場合があるようですので、実質負担が10万円を超えていれば、確定申告した方がいいかもしれません。

以上を利用して、さらに民間の生命保険に入っていれば、収入は減るものの、生活は何とかしていけるという感じになります。

そして、ここからが有効な使い方です。ただし、これは特に手術不能のステージの方にとって、という感じです。

まず、①の傷病手当ははじめから1年6ヶ月利用するつもりにしておく、ということです。

最近は、イレッサなど分子標的薬の登場で、病状が安定したら会社に復帰される方もおられると思います。

しかし、抗がん剤はいつ耐性がつくかわかりません。

そして、傷病手当は最初に支給を受けてから1年6ヶ月で打ち切りになります。途中で復職しても、延長されることはありません。そして、1年6ヶ月以降は、同じ病名で傷病手当を受けることはできません。

なので、①~④の補助金で生活できれば、無理に復職せず、傷病手当を受けた方がいいと思います。

職場環境によっては、長く休んでいて、病状が安定していると聞くと、暗に復職を促されるということもあると思います。

メディアなどで、がんが治る時代になったとか、がんでも仕事が続けられるなどとよく言われますが、これはがんの種類やステージによって様々です。これを一括りにして間違った理解をされている方も多いと思います。

実際、私は告知から半年くらいで復職を試みたのですが、ちょうど同じ時期に検査で悪化が確定したので、継続して傷病手当を受けました。無理に復職しなくて本当に良かったと思います。

なので、周りに何を言われても、流されないようにしてください。

勿論、本人がどうしても仕事をしたいというのであれば、それはそれでいいと思いますが。

では、1年6ヶ月後はどうするの?となると思いますが、それはその時の治療状態によると思います。私の場合、春に傷病手当が打ち切りになりますが、会社の制度でプラス9ヶ月別の手当が支給されます。なので、春以降の病状や、体調は今から想定できないので、その時になって考えるしかありません。

私の会社は在宅ワークという制度がありませんが、職場によっては在宅ワークも考慮しておいた方がいいと思います。

最後に、がんと仕事について書かれている本を紹介します。

がんと一緒に働こう!、という本ですが、がん患者の就労支援活動をされているCSRプロジェクトの桜井なおみさんの本です。

実際に復職する際の、Q&Aがわかりやすく書かれています。持ってて損はしないと思います。↓

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障害年金

今回は、障害年金のことについて書きたいと思います。詳しいことについては、下記日本年金機構のHPに記載されています。

http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=3225

ここではいつ、どのような手続きが必要で、認定されればどのくらいの年金が支給されるのか、などについて、なるべく簡単に書きたいと思います。

まず、がんという病気で障害年金が出るのか、というところですが、障害認定にあたっての基準の16節に悪性新生物による障害というのははっきり記載されていますので、認定されれば支給されると思います。下記サイト(PDFファイル)をご確認ください。

http://www.nenkin.go.jp/n/open_imgs/service/0000006949.pdf

申請の時期ですが、がんと告知されてすぐにはできません。初診日から1年6ヶ月経って、初めて申請することができます。そして、1年6ヶ月後、年金手帳(会社勤めの方は会社で保管されていると思います)や保険証などの身分証明書を持って、最寄りの年金事務所に行きます。そこで、所定の書式の診断書や、身体の異常を感じて初めて受診した病院に書いてもらう書類、自分で記入する書類、戸籍謄本や住民票など、とにかくたくさんの書類が必要だということで、書類を渡してくれますので、診断書は医療機関で書いてもらったり、他の書類は自分で用意することになります。ここで、今通院している病院で書いていただく診断書ですが、これは初めて受診した医療機関へ行った初診日から1年6ヶ月以降、3ヶ月以内の状態の診断書が必要です。この診断書によって、障害の程度が1級になるか2級になるか、3級になるかがおそらくだいたい決まってくるのではないかと思います。

書類の審査は、年金事務所サイドの担当医師が行い、等級が決定されます。審査には最低でも3ヶ月以上はかかるようです。これは個人的な見解ですが、肺がんステージ4にまでなると、3級くらいなら認定されるのではないかなと、あわよくば2級という感じでしょうか。ちなみに3級だと最低保障で年額579,700円、収入が多い方はこれより増えます。例えば、平成15年4月以降に就職し、その時から働いたのボーナスを合わせた収入の平均月額が40万円だったとすると、年額685,900円になります。(平成15年3月以前から働いている場合は若干計算が異なります。詳しくは日本年金機構のHPをご覧ください。)2級になると、上記の金額に配偶者の加給年金222,400円、さらに2級は障害厚生年金に障害基礎年金772,800円と、子の加給年金222,400円(第1子、第2子)、第3子以降は741,00円が加算されて、上の金額と単純に足すと200万円前後の年金を、障害認定されている間はずっと受け取れるようです。肺がんステージ4とかになると、完治という概念もないわけで、認定されるとおそらく死ぬまで受け取れることになると思います。抗がん剤治療の副作用や、腫瘍の進行の程度によっては疼痛があり、僕らがん患者は寝たきりの状態になる時もあるし、良くなっても倦怠感や痺れ、浮腫みなど時期によって様々な症状が出てきます。なので、認定基準の一部に初診から1年6ヶ月後以降3ヶ月以内の診断書で、5段階で何でも自分でできるという選択肢から、介助が必要という選択肢までに分けられている項目があるのですが、一概にこれという項目を決めれないような気がします。この辺は主治医にうまく書いていただけないか相談するところかと思います。ちなみにこの5段階というのは、下記サイトのPDFファイル、こちらの4ページ目で確認することができます。

http://www.nenkin.go.jp/n/open_imgs/service/0000006949.pdf

また、下記がんナビのサイトにも、がんで障害年金を受給された方の実例が紹介されています。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/t005/201007/100502.html

初診より1年半経過された方は、申請をしてみてください。

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抗がん剤治療中の家庭での注意点

抗がん剤の曝露問題について記述します。曝露とは、薬品などにさらされることを意味します。要は外来もしくは服用で抗がん剤治療をしている人の尿などに混じった抗がん剤によって、その家族がその抗がん剤に間接的に触れてしまう危険性があります。なので、治療している本人に注意が必要になります。しかし、医療従事者、特に看護師さんの間では直接抗がん剤を取り扱うことがあり、曝露対策は浸透しているようですが、家庭での対策はあまり確立されておらず、すすめられることもあまりありません

私も実際、外来化学療法室の一人の看護師さんから、治療後は、家でのトイレは座ってしたほうがいいですよ、と言われただけで、主治医からは特に何も言われませんでした。では、子供とご飯を食べる時の口移しや汗はどうなるのか?とその看護師さんに聞くと、はっきりした答えはありませんでした。このようなこともあり、私の場合は、トイレは座る、治療直後は口移しはしない、ということを気を付けてやっています。下記癌ExpertsのHPで、家庭での曝露対策について詳しく解説されています。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/nurse/intvw/201408/537649.html
※癌ExpertsのHP、記事全文を見るには無料の会員登録が必要です。

この記事によると、やはりトイレは腰掛ける(抗がん剤の種類によって注意する日数が異なる)、口移しは避けたほうがいい、大量の汗をかいた洗濯物は、他の洗濯物と避ける、といったことが書かれています。とはいえ、これをしていなかったとしても、家族に多大な被害を及ぼすということはないようです。あくまでも、エチケットというか、念のため、というレベルみたいです。あまりにもまわりが気にしすぎて、患者さんが差別視されるのもよくありません。なので、治療している本人が気を付けてやっていれば、家族も安心というわけです。治療されている方は、一度上記のサイトを見てみてください。

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眠れない時のオススメ睡眠導入剤

みなさんは夜、よく眠れていますか?

がんと告知を受けた時、ショックで眠れなかったり、骨転移の影響で、背中や腰が痛くて眠れなかったり、抗がん剤治療の影響で、吐き気がして眠れなかったり。僕は全部ありました。なので結構睡眠導入剤にはお世話になってます。

オススメはデパスとルネスタ3mgです。

この組み合わせになるまで、結構色々試しました。ルネスタ1mgからはじまり、2mg、でもルネスタは効き目が短いので、入院時に薬剤師さんから薦められたデパスとルネスタ2mg、デパスとサイレースを試したり。どれも思ったようにいかず、最終的にデパスとルネスタ3mgになりました。

夜眠れないという方は、1度試してみてください。

ちなみにしばらく診察がないとか、市販薬で済ませたいという方には、レスタミンU コーワ錠がオススメです。抗アレルギー薬ですが、中身はドリエルという睡眠導入剤と同じで価格が安いらしく、よく眠れます。↓

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がん相談支援室

みなさんは、がん相談支援室をご存知でしょうか?そしてご利用されていますか?

全国のがん診療連携拠点病院に約400施設設置されている、がん患者さんのための相談施設です。私の場合は、告知前にネットで病院のサイトを見ている際に、その存在を知っていました。

そして、告知当日に、仕事のこととか不安もあったし、何より肺がんステージ4というのがどういうことなのか、当時の主治医は忙しそうであまり詳しく話してくれなかったこともあって、駆け込み寺のように行ったのが最初でした。それ以降、治療方法のことで悩んだり、仕事復帰のことで悩んだりした時など、何度かお世話になりました。

また、私の場合、主治医が異動のために変わったりして、次の主治医と相性が良くなかったりして、ちょっと話しにくい相談もしたりしました。病院や担当者によって対応が異なることも当然あると思いますが、私の担当者の方の場合は、話しにくいことも色々と聞いてくださり、すごく良かったです。その方は看護師さんということもあって、例えば、どの先生が待ち時間が長いとか、診察時間が短いとか、患者さんの話を最後まで聞いてくれるとか、そんなことまで話してくれました。実際、主治医には自分から、曜日を変えたいとか、待ち時間の短い医師に変えてほしいとか正当な理由をつけて話しましたが。結果的に、今はとても相性の良い主治医と出会うことができました。

患者さんによっては、こういうところに相談に行くと、主治医に嫌な思いをさせてしまうかも、とか思われている方もおられると思いますが、そこはあまり気を遣わなくていいと思います。がんに悩み事はつきものですので、まだこういう施設をご利用されてない方は、一度考えられてはどうかなと思います。相談してすぐに結論が出る訳ではないですが、相談することで方向性が決まってくることもあります。

あと、このような施設ではがんに関する様々なパンフレットや情報誌が置いてあったりします。子供に病気のことを話す時の注意点、話し方などが書かれたパンフレットはとても良かったです。このパンフレットは下記ノバルティスファーマ社のホームページでも閲覧することができます。

http://www.novartisoncology.jp/patients/support/

全国のがん相談支援室は下記のがん情報サービスのサイトで検索することができます。

http://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/fTopSoudan?OpenForm

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がん保険の重要性

がんになって、入っていればよかったと思ったがん保険を紹介します

がんを告知されて、がん患者になって、それが肺がんステージ4という、治らない病気だとわかって、そこで初めて生命保険の重要さについて思い知らされました。私は、一般的な生命保険に入っていて、これはよくある入院したら1日いくらとか、退院したらいくらとか、入院後に通院すると何回まで1日いくらとか、そういう保険でした。それに、先進医療特約をつけていて、死亡保障は別で、会社の共済会に入っていて、年金として受け取れるタイプでした。しかし、実際に肺がんステージ4となると、これだけではあまり充実していませんでした。これから、まだがんになっていない、特に若年層の方へおすすめしたいがん保険を書いていきたいと思います。

①メディコムのがん保険

この保険の特徴は、以下のようなものです。
・保険が利かないがんの自由診療の治療費を保障(メディコムが指定する協定病院に限る)
・がんの通院だけでも5年で1000万円保障
・入院時の実額を保障

自由診療の中には、重粒子線治療や免疫細胞療法などの先進医療も一部含まれており、協定病院には民間のクリニックなども含まれています。なので、高額な自由診療の治療費をカバーできるのは良い点です。また、通院は、一般的な生命保険では入院後に何回まで、と決められており、すぐに限界がきますが、通院だけでも5年1000万円まで保障というのはかなりお得です。保険料も、35歳男性で1590円と、高くはありません。

②住宅ローン団体信用生命保険の三大疾病特約

家を買う時に入る団信ですが、これは契約者が亡くなった時に、ローンの残債を返済しなくてよい、という保険です。これに、がんを含む三大疾病特約というのがあり、これに入っていると、がんと診断された時点でローンを返済しなくてよくなります。額が大きいので、入っていた方が万一の時の備えになります。

③長期休業保障、就業不能保険

社会保険の健康保険では、治療のために会社を休むと、1年半までは傷病手当金が出ます。しかし、その後も休むと無給となってしまいます。会社によっては保障が出ることもありますが、保障期間も限度があると思います。これをカバーするのが、長期休業保障や就業不能保険と言われるものです。ライフネット生命では、就業不能になってから180日経つと、掛金によってその額の給付金を毎月受け取れます。これは30歳男性で保険料2794円、月額給付金は15万円、これを65歳まで受け取れます。ただし、就業不能状態というのが、医師の診断書なり、署名なりは必要と思います。私の会社の共済会でも似たような保険があり、保険料はもっと安く、給付金が多いものがありました。まだがんになっていない、大切な方が近くにおられたら、おすすめしてみてください。

なお、下記「保険市場」というサイトでメディコムを含めた大手各社のがん保険を比較することができます。気になる方は一度ご覧になってみてください。↓

ネット保険取り扱い30社以上!

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34歳で肺がんステージ4 blueのアメーバブログ
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